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性感染症

淋病

性交後数日後、おりものが膿状で悪臭を伴うようになります。

また、排尿時に痛みが出ることがあります。

放置すると卵管や腹腔内(お腹のなか全体)に感染が波及することもあり、

発熱・腹痛など腹膜炎・骨盤内感染を引き起こします。

不妊の原因にもなります。

クラミジア感染症よりは症状が強く出ることが多いですが、

無症状の方もいます。

治療には抗生剤の投与(点滴)が第1に行われます。

治癒確認は1ヶ月後に行います。

パートナーの方も感染していると見なします。同時に治療を受けるようにしましょう。

カップルのうち片方が治っても、もうひと方の感染が持続していれば、

性交渉により何度でも感染します(ピンポン感染)。

クラミジア

性交後2~3週間が経過してから、

水っぽいおりものが増えたり悪臭がしたりします。

腹痛を伴うこともあります。

しかし淋病と異なり、無症状の方が比較的多いです。

そのため気づかないうちにクラミジア菌が卵管~腹腔内と拡散し、

卵管が炎症を起こし卵管が詰まって不妊症になることがあります。

また肝臓などお腹の中で炎症やその後の癒着を生じることがあります。

分娩時に感染が持続していると赤ちゃんに肺炎や結膜炎を起こすので、

妊婦さんは全員検査します。

治療には抗生物質を用います。

1回飲むだけで治るお薬もあり多用されますが、下痢・嘔吐などの副作用が出ることがあります。

胎児には影響がないとされているお薬です。治癒確認は1ヶ月後に行います。

パートナーの方も感染していると見なします。同時に治療を受けるようにしましょう。

カップルのうち片方が治っても、もうひと方の感染が持続していれば、

性交渉により何度でも感染します(ピンポン感染)

腟トリコモナス症

悪臭のあるおりものの増加と外陰部の痒みが主な症状です。

カンジダが白色の帯下なのに対し、

腟トリコモナス症は黄色で泡っぽいおりものになります。

性交後5~30日程度で症状が出現します。

トリコモナスは「原虫」というタイプの微生物です。

おりものを顕微鏡で観察すると、

ウヨウヨ動いている姿が確認できます。

膀胱内にも移行・生息することがあるため、

腟錠ではなく内服薬で治療することが多いです。

性器ヘルペス

外陰部がただれて激痛を生じます。

性交後1週間程度で、

外陰部(左右対称)に水疱(水ぶくれ)、その後潰瘍(ただれ)が出来ます。

特に初回は症状が高度で、

発熱や尿が当たるだけで痛かったり、歩行が困難になる方もいます。

抗ウィルス薬の投与で病変は消失します。

しかし体内にウィルスが潜伏し続けるため、

体調を崩すなどすると何度も発症します。

その都度、早めにご相談下さい。

妊婦さんの場合、分娩時に病変が出現していると帝王切開が必要になります。

赤ちゃんにヘルペスウィルスが感染すると重篤な症状を引き起こすからです。

尖圭コンジローマ

外陰部にイボが多発します。

性交後、数週間~数ヶ月後に発症します。

原因はヒトパピローマウィルス(HPV)の一種です。

HPVの他の型は子宮頸がんの原因にもなります。

治療は塗り薬が第1ですが、

腟内など粘膜部にも病変がある場合は、

液体窒素による冷凍凝固や電気メスなどによる焼灼、切除が行われます。

予防法として、一部の子宮頸がんワクチンが有効です。

カンジダ腟・外陰炎

厳密には性感染症ではありませんが、

便宜上、性感染症の項目に載せておきます。

おりものの増加や頑固な外陰部掻痒感などを生じます。

おりものは、白色で、酒粕・ヨーグルト状などと称される塊を作り、

診察時には一見してカンジダと疑えることが多いです。

腟内の洗浄と腟錠使用で症状が消失することが多いです。

ただしこのカンジダという病原体は腟などの常在菌であるため、

完全に消し去る必要はありません。

酒粕・ヨーグルト状のおりものがみられても自覚症状がない方もいます。

妊婦さんは免疫力が落ちるので繰り返し発症する方がいます。

抗生剤の服用や糖尿病など免疫抑制状態の方もなりやすいです。

難治性の場合は飲み薬を使用することもあります。

 
 
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