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分娩誘発について

分娩誘発・陣痛促進

「分娩誘発」とは、自然に陣痛が来る前に子宮収縮薬などを用いて、陣痛を開始させることです。また、自然の陣痛が弱いために分娩の進行が停滞するときにも子宮収縮薬を使用しますが、これは「陣痛促進」といいます。通常満期(妊娠37~41週)になると、母体からホルモンが分泌されて自然に陣痛が起こります。しかし、うまく陣痛が起こらなかったり、母体や胎児のために、通常の陣痛が来るのを待てない場合があります。このような場合には、子宮収縮薬を使って「分娩誘発」や「陣痛促進」を行い、お産をすることになります。

下記のような理由で誘発・促進を行うことがあります。

1.予定日超過

分娩予定日を過ぎると、胎盤の予備機能が低下してきます。これを放置すると胎児がストレスに耐えられなくなったり、状態が悪くなったりすることがあります。予定日を2週間以上経過するとそのリスクが急増しますので、妊娠41週頃から分娩誘発を検討することになります。

2.巨大児疑い

エコーによる胎児計測により巨大児(体重>4000g)が疑われる場合は、分娩障害(難産)や胎児外傷(鎖骨骨折など)のリスクが増します。

3.前期破水

陣痛が始まる前に破水することをいいます。前期破水後24時間以内に有効な陣痛が起こってくることが多いのですが、そうならない場合もあります。破水から分娩までの時間が長びくと、腟内の雑菌が子宮内に移行し、母児に感染が起こることがあります。

4.微弱陣痛

長時間陣痛の弱い状態(微弱陣痛)が続くと分娩進行が遅れ、母児ともに疲れてしまいます。このため、上手にいきむことができなかったり、分娩後に子宮収縮が悪くなって出血が多くなったり、長時間のストレスで児の状態が悪くなることがあります。

5.母体の疾患・胎児の状態

母体の病気(妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病など)の状態が、胎児を育てるのに好ましくない場合や、胎児側の条件(発育の状態や胎盤機能不全など)によっても陣痛誘発を検討します。

 
分娩誘発・陣痛促進の方法

注射薬:注射薬は、子宮収縮の状況(過強陣痛・子宮破裂が生じていないこと)や胎児の状態(胎児機能不全が生じていないこと)をみながら点滴する速度を調節していきます。精密持続点滴装置(輸液ポンプ)を用いて薬液量を厳密に調整しながら、少ない量から開始し、有効な陣痛が得られるまで、30分ごとに徐々に増量していきます。また、分娩監視装置をお腹につけて、胎児や子宮収縮(陣痛の状態)を客観的に把握します。


①オキシトシン
自然の分娩時に脳下垂体から分泌されるホルモンです。注射薬でも自然陣痛に近い子宮収縮を起こしますが、効果は個人差や週数による差があります。
 
②プロスタグランジンF2α
ゆっくりとした長い子宮収縮を起こします。喘息の人には使えず、緑内障の場合は投与を控えるほうが安全です。該当する方はお申し出ください。
内服薬:経口薬なので調節がききづらいのが欠点です。
 
③プロスタグランジンE2(経口薬)
1時間に1錠ずつ内服し、1日あたり最高6錠まで使用します。その間に陣痛が強くなってきたら服用を中止します。注射薬に切り替える場合は、最終内服後2時間以上間をあけます。 

子宮頸管の熟化が不十分な(子宮口が開いていない)場合

子宮口があまり開いていない場合(子宮頸管塾化不全)、子宮収縮薬を投与しても有効な陣痛が起きないことがあります。子宮収縮薬の使用に先立って子宮の出口を水風船(メトロイリンテル)や吸水性の拡張材を用いて器械的に刺激することで子宮口が開き、子宮収縮薬が効きやすくなります。

 
 
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